空のペットボトル

読んだ本やアニメの感想。

2017年に観たアニメの話。

あけましておめでとうございます。今年も本ブログをよろしくお願いします。

三ヶ日も終わりそろそろ2018年のアニメも始まっていきますね。

冬アニメは「メルヘン・メドヘン」「ゆるキャン△」「スロウスタート」あたりを楽しみにしてます。女の子しか出ませんね。

 

今回は2017年のアニメを振り返ろうかなと思います。

2017年、色々ありましたね。「けものフレンズ」が大ヒットしたり「プリパラ」は3年の放送で一区切りつき「アイドルタイム プリパラ」へ名を改め新シリーズが始まったりと……百合のオタクとしては好きな作品が多かったので大満足の年でした。

そんな2017年に放送されたアニメの中で自分が気に入ったものを紹介していきます。

 

BanG Dream!」2017冬~ 全13話+OVA1話

bang-dream.com

今や大人気スマホゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」の配信に先駆けて放送されたアニメ。

このアニメ、「きらきら星」と言えばピンとくる人もいるのではないでしょうか。

「とにかく3話が酷い」、「きらきら星地獄」など悪評が目立っていましたが、「ガルパ」の好評からか再評価の流れが生まれており、放送当時周りにキレ散らかしていた私としては嬉しい限りです。

どんな話かといいますと、

主人公・戸山香澄は幼い頃に聞いた「星の鼓動」、キラキラドキドキするものを見つけるため、色々な部活を試していた。ある日、彼女は星型のギター、そして「音楽」に出会う。ようやくキラキラドキドキするものを見つけた香澄は、仲間とともに憧れのステージを目指す。

といったものです。

まあよくある音楽モノではあるのですが、この作品はひたすら演奏描写が丁寧です。物語が進むにつれて主人公たちのレベルも上がっていき、ライブするステージは身内数人を招待した小さな蔵(バンドメンバーの部屋)から文化祭、ライブハウスのオーディション、そして憧れのライブハウスでのステージへと変遷し、それらの場に合わせた音質にすることで主人公たちの演奏技術の変化が表現されています。香澄たちが演奏する曲も、つたないきらきら星、メンバーの一人の姉の手伝いを受けつつ作った簡単な曲、香澄が詩を書いた曲、そしてメンバー全員で紡いだ曲へ……このような真摯な描写が物語に質感を与えてくれます。

この「質感」というものが、キャラ同士の関係性にもよく表れているのがこの作品の魅力の一つでしょう。香澄のバンドに最初に加わる人物・有咲と仲良くなるまでの描写が通学のシーンで、香澄から走って逃げる、距離を取って前を歩く、連れられるように後ろを歩く、並んで歩く、という風に物理的な距離で二人の心の距離感も表現されていて凄く好きです。

また、音楽描写と日常的な質感に加え、人間ドラマとしてもよくできています。物語の終盤、香澄はオーディションの最中歌を歌えなくなってしまいます。身体には異常はなく、普通に声が出せるようになっても歌だけは歌うことができず、彼女は練習している場所から逃げ出してしまいます。そこで駆け付けた仲間たちは彼女の作った詩をひとりひとりがバトンを繋ぐように歌います。それはメンバーのこと、メンバーが香澄からしてもらったことが歌われたものです。今まで香澄のなしたこと、それが次々と仲間に歌われ、最後に香澄に繋がります。「そうだ」という気付きの歌詞と共に香澄は自信を、仲間の存在を、歌を取り戻します。歌詞と物語が一致する展開はやっぱり熱いですしそれがメンバー全員のものとなると更にこみ上げるものがあります。

物語の大筋から細かい描写まで丁寧に作られた良い作品でした。後半の作画が残念だったのが欠点でしょうか。

少し脱線しますが、この作品には原典となる小説があり、キャラクターの造形から変更点は多いのですが芯にかかわる部分は同じであったり、使うモチーフやシーンごとのエモさが異常にデカいのでオススメです。ガルパやアニメで興味をもったなら是非。

 

BanG Dream! バンドリ

BanG Dream! バンドリ

 

 

 

アイドル事変」 2017冬~ 全12話

idoljihen.jp

激ヤバアニメ。アイドル×国会議員というだけでもヤバい雰囲気があり力強い作品。

「不況!貧困!広がる格差!!!」という立木文彦のナレーションと共に破壊された国会議事堂がアイドル議員の登場により光が差し再生していく始まりは何度見ても意味がわからないですし意味がわからないけどカッコよさに拳を握ってしまいます。

内容も北に悪の既得権益与党がいれば歌い、南に美辞麗句を並べる(並べるだけで何もしていないかというとそれはわからない)ライバル議員がいれば踊ることで相手を改心(?)させることで票をかっさらう痛快選挙活動といったトンデモないもの。回を重ねるごとに困ったらライブするしかねえ!という思考に染まっていきます。慣れって恐いね。

国会議員同士によるバンジージャンプ対決や幼稚園児による立てこもり事件などヤバくない回など存在しないのですが、特にヤバい(大好き)な回が5話。

この回のメインを務めるのはサブカル新党(党名にツッコむとキリがない)党首・小水流ミカ。宇宙が大好きな彼女は国会議事堂の展望室を解放して天体観測を行うイベントを企画します。しかし、人前で堂々と話せない彼女は楼凱党議員・猪名川の反対を受け委縮し、案を突き返されます。更に猪名川は展望台を使えないことの追い打ちをかけるように展望台の幽霊の話をして・・・

これだけでも頭が痛くなるあらすじですね。人前で堂々と話せないってどうやって議員になったんだ?そういやライブで票が取れる世界だった。このアニメ全体的に作画はローコストなんですけど議員の猪名川の顔の造形がやたら凝っている、というか稲川淳二

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話の説明に戻りますが、猪名川の語る怪談の真相をつかむため主人公らヒロイン党は展望台へ赴きます。そこには当たりを飛び回る幽霊の姿が。軽快なBGM(各話で流れるメインになる党のキャラソン)の中逃げ惑う主人公たちから場面は切替わり議事堂の中央広間を歩くミカが映されます。ミカはどうか幽霊を追い払ってくれますようにと中央広間に鎮座する先人・板垣退助大隈重信伊藤博文銅像に語りかけます。すると周囲に光が差し込み・・・

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銅像が動いて喋った……

そしてミカは神託を受けます(ワシは断然君を推しているよ☆)(自信を持て)(己のVisionを持たねばダメだ)(何がグローバル化だ)(YOU達アイドル議員なら国民を笑顔にできる)

 

 

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ものすごい光景だ…

しかもこのアニメの凄いところはただトンデモない映像をみせてるだけではなく構造の上手さにもあるんですよ。

展望台にいた幽霊は猪名川の用意したプロジェクターで用意された偽物でした。偽物の幽霊に慌てふためく画面と本物の神像と腰を据えて対話をする画面、二つのコントラストが非常に映えます。

神託により自信をつけたミカは猪名川に臆することなく意見を伝えることができ、展望台の開放イベントを行うことができました。

この回のように急に出てくる神々や、自然と共に生きるアイドル議員、ライブを行うことで島の守り神である猫を呼び寄せる回など宗教性のある話が多く、アイドルと政治の親和性はアイドル=偶像、政治=祭事などの関連性から説得力のあるものになり、観終わるころにはすっかりアイドル議員の持つ無限の可能性に魅せられる。そんなアニメでした。

ちなみに「アイドル事変」、巷では「ア変」などと略されているようです。

 

 

ひなろじ~from Luck&Logic~」 2017夏~ 全12話

hinalogic.com

2016年冬に放送されたアニメ「ラクエンロジック」のスピンオフアニメ。

私は「ラクエンロジック」の方は観ていないのですが、前作からの登場キャラもゲストで出た程度で知らなくても問題なく楽しむことができました。

ストーリーは前作から平和になった世界で、異世界の住人と合体することができる能力者たちが集められた学校で訓練とかしながら日常を過ごすといったもの。

とにかくキャラクターが可愛いです。可愛い女の子が動画工房のアニメーションで動いて可愛い声で喋るとオタクは幸せになれます。

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アイキャッチもかわいい

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公式のキャラ紹介ページの相関図が凄いことに。憧れ幼馴染主従なんでもござれ。枠外にも様々な感情があります。

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クソデカい部屋でカニ鍋を食べる女二人。

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一方四畳半の狭い部屋でカニカマ鍋とビールを飲む女教師二人。

可愛い女の子たちのベッタベタなソフトな百合を楽しむだけでも十分元は取れるのですが、たまに圧の強い2017年らしい百合を感じるのがこの作品の特徴です。

それはED後のCパート。主人公たちの教師たちが居酒屋で仕事の愚痴などを漏らしたりするシーンが流れます。

基本的には男がいない、紹介してくれ。みたいな会話が多いんですがその嘆く側の副担任が先輩である担任に対して「先輩みたいな人なかなかいない」などと零し、それに対して不機嫌そうになる担任や、海に行きたいと漏らした副担任に車のキーをスッと取り出し「じゃあ今度の休みに行くか」などと誘ったり圧の強い百合が繰り広げられます。

Cパートは本編放送より少し早く終わるのですが、ラストのバレンタイン回のやりとりと視線の描写は百合オタク必見の素晴らしさです。

2017年夏といえば「プリンセス・プリンシパル」「NEW GAME!!」など多くの百合アニメがあり、あまり話題にはなりませんでしたが、この「ひなろじ」もそれらの作品に負けないほどの2017年らしさのある百合作品でした。

 

 

以上3作品を紹介していきました。興味のある作品があったかたは是非動画配信サービスやレンタルショップなどで観てみてはいかがでしょうか。

2017年アニメ、まだ放送は完結しておりませんが「結城友奈は勇者である」の二期や、「ラブライブ!サンシャイン!!」の二期などは泣くほど良かったですね。

特に「ラ!サ!!」はモチーフの使い方など死ぬほど上手いなって思うところが沢山あったのでそれらについても色々語りたいなとは思いますが今回も結構な量になったのでここまでとさせていただきます。

 

2018年も充実したオタクライフができますように。