今週観た/読んだものの話。-4
今週はロンドン・ナショナルギャラリー展に行きました。
自分から美術展に行くのは初めてで何をどう見ればいいのかわからなかったので1冊美術鑑賞の本を読んでから向かうことにしました。
絵に惹かれたときに惹かれる理由がどこにあるのか、という観点で説明された本で、リーディングラインや構図の繰り返しの話は自分が物語を読むときに気にしてるポイントに通ずるものもあるなと思いました。有名な黄金比や分割線に関してはあまり理解できなかった。
肝心の美術展はというと、結構楽しめました。
実物を見ると塗りの立体感とかが全然違ったり、絵がデカいと迫力があって気分が上がる(小学生)。
特によかったと思ったのは「聖エミディウスを伴う受胎告知」と「鹿狩り」。
【第1章】カルロ ・クリヴェッリ - 【公式】ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
【第2章】フィリップス・ワウウェルマン - 【公式】ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
「聖エミディウスを伴う受胎告知」は入ってすぐに観れる目玉展示のひとつで、描き込みや立体感がすごくてとにかくデカかった(小学生)。
「鹿狩り」は画面左にいる白い馬に乗った貴婦人に躍動感があったり、青と白の色遣いが綺麗で目を惹かれました。カードゲームのイラストみたいでカッコいい(小学生)。
この他にも多くの作品が展示されてて長々と楽しめました。
その後、上の階で現代芸術の展示も無料で観られるとのことで、行ってみたのですが文脈を一切知らないまま観るには難しすぎた。
帰り際に入口付近で音声ガイドの貸し出しがあったことを知りました……
今週の観た/読んだもの
〇アニメ
・SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!
〇ドラマ
・コタキ兄弟と四苦八苦
〇映画
〇漫画
・ブルーピリオド
・咲-saki-シリーズ
〇小説
・流浪の月
〇ソシャゲ
・プロジェクトセカイ
SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!
今期もやってる作品。前回のましゅまいれっしゅ!!を観てなかったなと思い観始めました。プラズマジカのときより"""カップリング"""が意識されてるっぽく、うれしい。
やっぱ同棲なんだよな。
EDもほわヒメそのものだし普通にいい曲だし好き。
コタキ兄弟と四苦八苦
50手前のおっさん兄弟がレンタルおじさん活動を通して、様々な苦しみを持つ人間と触れあう話。
8話でさっちゃん(兄弟のいきつけの喫茶店の店員)のセクシャリティが明かされたあたりでようやくこの作品のテーマが腑に落ちた。
それまでの回で多くの苦しみを描いてきたからこそ、「この身体で、この心で、生まれてきてしまった。けれどその先は好きにさせてもらうぞ」というセリフが、自身の性的指向による周りの目という壁で苦しむさっちゃんへのエールだけでなく、生に伴う苦しみを持つ全ての人へのエールにもなっていてよかった。
また、この生まれ持ったものからの脱却は、最終話でさっちゃんと兄弟が腹違いの兄妹であったという設定でも上手く描かれていた。
幼いころ偶然出会ったときに、迷子のさっちゃんを励ますためコタキ弟がローマと落書きした狸の置物を兄弟の家で見つけて、彼女は二人を兄のように感じていたのだと思い出す。
さっちゃんは二人が実の兄であることは知らないまま、けれども二人を兄のように親しい存在と感じて分かれる。
生まれ持っての兄妹という絆ではなく、何も知らないまま出会った幼少期や、喫茶店で過ごした日々によって得た絆を大切にするというのが印象的。
苦しみだらけでも生きていこう、俺たちが祝福する。そんな人間賛歌。
ゴーン・ガール
妻の失踪から始まり夫や妻の秘密が明かされていくミステリ。
かなり性格が悪く夫も妻もそれを取り巻く人間もだいたい最悪。
終盤、妻が逃亡先の別荘(?)で強盗に遭うところで笑う。
また、更なる逃亡先の元ストーカーの友人の家で夫の会見を観て惚れ直してるのを見て最後は殺されて夫がほくそ笑む寓話みたいな形で終わるのかなと思っていたら、想像以上に妻が強くて最悪の人間だった。
最悪のラストだけど妻は夫に惚れ直してるし夫は流されて満更でもなさそうだし周囲の人々も祝福してるしハッピーエンドなんでしょう、EDの音楽とも呼べない音が死ぬほど不快でしたが。
EDも含めてたっぷり不快になれる映画でした。面白かったけど映画を観て不快になりたいわけじゃあないんだ……
今月は暴力系の洋画しか見なかったので2月はハッピーな感じの映画を観たい。
ブルーピリオド
アニメ化おめでとう。9巻の発売に伴って1巻から読み返してコミックDaysの定期購読で連載分まで追いつきました。
ロンドン・ナショナルギャラリー展に行くこと自体はこれを読む前から決めてたんですけど読んだらさらにモチベーションが上がりました。
最新話のネタバレになるんですけど、1話や、2次試験、最新話と要所要所で「美術は文字じゃない言語」というテーマをつかってくるのがズルい、熱い。
しかも2次試験での世田介→八虎との対比になっているのもニクい。
咲-saki- シリーズ
咲シリーズはシリーズ全部発売日をそろえてくれるのが助かる。
阿知賀編完結したと思ったら続きでたのにはビックリしたし本編でやってる決勝戦を普通に描いてるのにも驚く。
本編・阿知賀編をベースに怜やシノハユで世界観がどんどん広がるのが楽しい。
団体戦後も個人戦とか世界大会とかの風呂敷も広げてるので長く楽しめるコンテンツ。
スピンオフをやればやるほどスポットライトの当たるカプも増えるので会社立ち上げて咲プロジェクト化してほしい(?)
流浪の月
2020の本屋大賞作品かつ2021の本屋大賞ノミネート作家ということもあり外れないだろうと購入。結果めちゃめちゃ良かった。
無理解の善意という形で描かれる社会の厳しさに対して、文章がものすごく美しい。
主人公の更紗が持ち帰る思い出のワイングラスを「心地よい重さの愛」と表現しているところが詩的で綺麗。
また、幼少期(誘拐期間)の生活があまりにも理想的すぎて泣けてくる。
怠惰と勤勉が混ざり合い、中間にならない生活、更紗と文の交わりが美しく表されている。
この幼少期が美しすぎるからこそ、その後長く続く成年期の描写がつらい。
善意によって会話に蓋をされる息苦しさが、彼氏のDV描写と重なるのがつらいけど巧くてどんどん読み進めてしまう。
更紗が周囲の善意を捨て去り、文と共にいつづけることを決めたのち、初めて文の視点になる4章もよかった。更紗にとって文は安心できる救いの存在で、文にとっても更紗は自分の鎖を解く救いの存在であったことが……展開としては予想がつくけれど、ずっと更紗の成年期が描かれることでぼやけてしまった幼少期の生活が、どれだけ輝かしいものであったことかを文視点で再び語られることで沁みいるものがある。
これを読む前に「コタキ兄弟と四苦八苦」を観ていたことで、読んでるとき「この身体で、この心で、生まれてきてしまった。けれどその先は好きにさせてもらうぞ」というセリフを思い出して泣くことになった。
エピローグとなる5章も、流浪を続ける二人を月にたとえる表現(タイトル回収!)が美しく、心地いい読後感だった。
読んだらアイスが食べたくなります。私は買いました。
プロジェクトセカイ
「25時、ナイトコードで。」のストーリーが現代っぽいテーマの詰め合わせでよかった。
「ワンダーランズ×ショウタイム」はガルパのハロハピっぽい印象を受けていたが、話の中身はむしろラブライブ!サンシャイン‼に近く、別方向から殴られる形になった。
オリジナル曲の「セカイはまだ始まってすらいない」のノスタルジックな歌詞と明るい曲調のギャップが好き。
司やえむはプロなどの外の世界に目が向いているのに対し、鳳えむは祖父との思い出の場所であるステージに焦点があり、第一印象に反してメンバーの中では一番感傷的っぽいのでそこをどう描いていくのかに期待。
それはそれとして司えむの少女漫画感が好き。
イベストも読んで追いつこう。
毎週色々観て感想を書くこの試みもなんとか1か月続けることができた。このまま続けていきたい。