空のペットボトル

読んだ本やアニメの感想。

今週観た/読んだものの話。-5

今週は焚火をしてパエリアと焼き芋を食べました。おいしかったです。

 

今週観た/読んだもの

〇アニメ

・ef -A Tale of Memories. / A Tale of Melodies.

〇ドラマ

・SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜

〇映画

バベットの晩餐会

〇漫画

・私の息子が異世界転生したっぽい

ワールドトリガー

〇小説

・滅びの前のシャングリラ

 

 

 ef -A Tale of Memories. / A Tale of Melodies.

anime.dmkt-sp.jp

anime.dmkt-sp.jp

シャフト全盛期(諸説ある)の代表作。有名なOPを筆頭に演出がかなり印象的で画面が美しい。

千尋&蓮治パートの夕焼けの赤と月夜の青の対比が綺麗だったり、病に侵された久瀬の心臓が脈打つ時計の歯車として表現されているのがカッコよかったりで印象的だった。

また、みやこの留守電や、ミズキを拒絶する久瀬の、画面が文字で埋め尽くされる演出もショッキングで印象深い。

最終話の夕の台詞と演出で完全にダメになった。夕と優子の過去話で夕は嘘をつくときまばたきをする、というクセが指摘されていた上で、「さみしくもつらくもない」ではまばたきをし、「俺はもう大丈夫だ、心配するな」ではまばたきを堪える演出はシンプルだが強烈だった。さらに、後のシーンでミズキ(未来)が夕に対して「誰かのためにつく嘘は嘘じゃないんですから」と語りかけることがどれだけ夕にとって救われることか……

キャラクターの過去や心情が分かったうえで、どう演出されていたかを知るために何度も観返したいと思える作品だった。

 

SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜

ドラマ版のみ視聴。

クセの強いキャラによる超能力×刑事もの。トンチキエンタメとして楽しめた。

ジョジョ3部を読んでいることを前提として、時をとめる能力、星形の痣、止まった世界への入門を描写することで、物語上で明かす前にニノマエ=当麻と血縁関係=陽太(当麻の弟)の事実を示唆するのが謎のテクニックで笑った。

ニノマエ戦の攻略方法もジョジョとかの能力バトルものっぽくてよかった。

ただし、物語としては「法で裁けない超能力犯罪者をどう裁くか」に対しての答えを一切出さないまま終わったり、最後の最後で記憶を操る能力者を出して今までの過去のエピソードをひっくり返されたりと、雑な部分があった。やはりトンチキエンタメとして楽しむのがよさそう。

 

バベットの晩餐会
バベットの晩餐会 HDニューマスター版(字幕版)

バベットの晩餐会 HDニューマスター版(字幕版)

  • 発売日: 2021/01/01
  • メディア: Prime Video
 

いがみあってた村人たちが素敵な晩餐会によって心を許しあう描写や、自分の財産を投げうってまで尽くす主人公に心温まる物語のようでいて、田舎者や清廉さに対する強烈な皮肉にも思える作品。

バベットが財を投げうってまで用意した晩餐会に対し、村人やバベットの主人である姉妹はその食材に偏見を持ち一切味わうことのないよう結束していたり、村の外からきた軍人が料理についての蘊蓄を語りながら絶賛したら手のひらを返すように味わいだしたり、姉妹は料理に対して偏見を持っていたことを一切バベットに謝罪することがなかったりと、ハートフルなものとは受け取れなかった。

自分を受け入れてくれた人のために奮った料理の良さは当人に伝わらず、むしろ自分を追い出した都会の人間には理解されることの皮肉さが、バベット自身の「芸術家は貧しくない」でさらに強調されているようだった。

根本的な隔たりが視聴者には開示されているのに、作中の人物たちが幸せそうな作品、どう受け止めればいいんだ……

 

私の息子が異世界転生したっぽい
私の息子が異世界転生したっぽい

私の息子が異世界転生したっぽい

 

異世界転生もので残された側を描く作品は「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった」ぐらいしか知らないので新鮮。

異世界転生ものに救いを求める二人の話。物語が誰かに寄り添うものとして描かれるとグッと来てしまう。

 

ワールドトリガー

最新巻を読みました。ランク戦でいろんなキャラを描いたうえでチームシャッフルさせたドラフトをやるとこんなに面白くなるんだ……

既刊とファンブックを読みながらドラフトをじっくり読み返したい。

シャッフルチームが絶対に面白いことはプリティーシリーズで証明されているので今後も楽しみ。

 

滅びの前のシャングリラ
滅びの前のシャングリラ

滅びの前のシャングリラ

 

同作者の「流浪の月」がよかったので2021年の本屋大賞ノミネート作品である今作も読みました。相変わらず文章が美しい。

令和を舞台にした終末ものは今現在の現実とのつながりを感じる(今作の場合、コロナではなく小惑星の衝突という明確な終末が見えているが)。

そうした終末だからこそ成立した人間たちの成長、関係性が儚く美しい。

サブタイトルも「シャングリラ」「パーフェクトワールド」「エルドラド」、とどれも理想郷を意味する言葉で構成されている。その中で、スピンオフの作品だけ「イスパハン」と、世界の"半分"を意味する言葉であり、得られなかったもう一つの世界に思いを馳せる雪絵に対して、儚さや祈りのような感情を抱く。

世界最後のライブで、終末を目前に一人歌う路子に対し、楽器の演奏が続くラストの美しさに鳥肌が立った。

 

 

来週は待ちに待ったガルパのハロハピ3章(本当に待った……)や、プリンセス・プリンシパルの新作があるので楽しみ。