空のペットボトル

読んだ本やアニメの感想。

2017年に読んだ漫画の話。

年の瀬も近くなってまいりましたね。みなさんの2017年はどんな1年でしたか?

私は就活をしてどこにも採用されず途中で投げ出し2留を決めて実家で草むしりをしたり、車の免許を取るための学科試験で落ちたりした2017年でした。

こう書いてみると散々な気もしますが無からやってきたモラトリアムのおかげで色んなアニメや本に出会うことができたのでそう悪くはない1年だったのかなと。

 

そんなわけで今回は今年2017年に読んだ漫画で特に面白かった作品や、もっと多くの人に読んで欲しい作品を紹介したり感想を述べたりしたいと思います。

 

 

まずはこちら

 映画大好きポンポさん

pixivで有名になり書籍化された作品ですね。本編はpixivにて無料公開されているのでそちらのリンクも。

 

才気溢れる映画プロデューサーであるポンポさんが、根暗な映画オタクを監督に添え、女優に憧れる田舎少女、壮年のベテラントップ俳優などを引き入れ映画を作る、といった内容です。

この作品のすごいところはたった100ページちょっとで7人のキャラクター全員が個性的で魅力的に描かれているという点です。

メインの登場人物のプロフィールに好きな映画が並べられており、詳しい方ならそれでどんなキャラなのかというのがわかるというのも特徴的です。私自身映画は全然見ないのですが、この作品で紹介された映画を見たい、このキャラクターの好きな作品について知りたい、と思わされました。

とにかくテンポが良く、制作を妨げるトラブルや悪意をもった敵役なども存在しないのでストレスなくサクサク読むことができます。

登場人物の才能の魅せ方が素晴らしく、特に主人公(?)ジーンの映画への執着や制作の才能が垣間見えるシーンはゾクゾクします。

また、この漫画のクライマックスでもあり、作中で撮っている映画でのクライマックスでもあるシーンの演出は漫画ならではの表現であり、正に「このシーンを撮るためにここまでやってきたのよ!」というものでした。

すでに完結している作品ではありますが、アニメ化企画が進行しているということもあり、それにも注目していきたい作品ですね。

 

 サザンウィンドウ・サザンドア

サザンウィンドウ・サザンドア (フィールコミックス)

サザンウィンドウ・サザンドア (フィールコミックス)

 

 こちらはとある団地を舞台に、そこに住む様々な人たちの暮らしを描いた作品となっています。

団地で花火を見る夫婦の話だったり、雪が積もってはしゃぐ親子だったり、終電を逃してトボトボ歩いてようやく見慣れた団地の景色にたどり着いて安心するサラリーマンだったり。先に挙げた「ポンポさん」のようなドラマや鮮やかなシーンはないけれど、「団地」という居場所で暮らす人々の営みが確かにそこにあり、郷愁を感じる良い作品でした。

余談ですが、帯に「団地漫画の新星!」といった文句があり、「団地漫画」なるジャンルが存在したのか…という思いになりますね。

しかし、「団地」というものが生まれてから数十年、無機質なものとしての「団地」から「田んぼだらけの田舎」のような故郷としての属性が付与され、こういった作品も生まれてくるのかと思うとこれから「団地漫画」というジャンルは私のように埼玉という東京のベッドタウンで育った人間にとって馴染み深いものになるのかなと感じます。

 

 透明人間の骨

 ジャンプ+で連載している作品です。

内容は父親の虐待から「消えたい」と願った少女が透明人間になれるようになった、というものです。

ザックリしすぎですが1話のネタバレになってしまうのでとりあえず無料配信をしている3話まで読んで欲しいです。

「透明人間」がテーマだけあって画面がシンプルで静かな雰囲気があり、物語も淡々と進んでいきます。そういう落ち着いた空気感のある作品が好きな人におすすめの作品です。

まだ作品がどういった方向に進んでいくのかわからないのですが、作者の荻野先生自身、百合作品を描いていたりするのでそういった女同士の関係性にも注目していきたいです。

 

 アリスと蔵六

 今年の4月にもアニメ化された作品ですね。滅茶苦茶よかったしもっと話題になってほしかったですね…

「ワンダーランド」と呼ばれる世界から生まれたヒトでない少女・紗名が生花店の主人・蔵六と出会い、「人間」になる物語。

主人公が世界を知ってどんどん成長していく物語も当然素敵なんですが、この作品の特徴はなんといっても画面の動きでしょう。まるで童話を読んでいるかのようなワクワクした気持ちを味わうことができます。特に1・2巻で軍上がりの和服未亡人とスーツの魔法少女公務員がドンパチやりあう様は凄く脳にいい。アニメで放送された分もあるので是非合わせて見てほしいです。

 

 悪魔を憐れむ歌

悪魔を憐れむ歌 1 (バンチコミックス)

悪魔を憐れむ歌 1 (バンチコミックス)

 

 去年の俺マン1位、「コオリオニ」の作者の新作。

8年前の連続殺人事件を追う刑事とその協力に応じた医師の織りなすクライムサスペンス。

犯人は誰か、といった推理ものではないのですが、事件そのものの実態も掴めない、どうやら主人公もキナ臭い、警察内部の汚職など先が気になる要素の多い作品です。

また、前作「コオリオニ」同様登場人物の異常さや、画面の迫力に度肝を抜かれます。

今月に2巻も発売され今後も続くそうなので、来年も引き続き追っていきたい作品です。

 

以上今年読んだ漫画で気にいったもの、読んで欲しいものを紹介していきました。

他にも面白い作品は数多くあり、全て紹介したい気持ちはあるのですが収拾がつかないのでここまでということで。普段読んでいる漫画などの感想はTwitter@issy330)でも流しているのでよろしければそちらもよろしくお願いします。

 

もうすぐ秋アニメの放送も終わると思うので、年が明けたら2017年に放送されたアニメの感想なんかも書けたらいいなと思っています。