空のペットボトル

読んだ本やアニメの感想。

ハロハピ2章「キミがいなくちゃっ!」の話。

4ヵ月ぶりです。最近は「少女☆歌劇レヴュースタァライト」にハマったりしていました。

 

今回はタイトルの通りガルパのバンドストーリー2章のハロハピについてです。

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ハロハピはガルパを始めた時から惹かれていたバンドなので待ちに待った2章という感じでしたし焦らされた分だけの面白さもあり、ソーシャルゲームでこんなに泣くことある?というぐらいボロボロ泣いてしまいました。

 

それではここから先はネタバレ有でやっていきます。まだ読んでない人は早く読んで下さい、頼む。あとカードはあまり持っていないので(今回のはみさここ両方もってないです、カードエピ誰か見せてください)何か抜けがあったりしたら教えてください。

 

 

物事の捉え方

話はハロハピのみんなで遊園地に行くところから始まります。

そこははぐみの思い出の遊園地だったのですが、以前の遊園地は見る影もなく、客はハロハピ一行のみ。微妙な雰囲気になるも、こころは「遊んでもないのに楽しくないと決めつけるのは早い」とはぐみや薫と遊園地を満喫します。良く楽しめるなと感心するようなあきれるような反応の美咲にはぐみや薫も「がっかりしてるだけじゃつまらない」「物事に良いも悪いもない。考え方によって良くも悪くもなる」と返します。

そうやって遊園地を楽しむハロハピに遊園地の社長が話しかけにきます。

もうじき遊園地を閉園すると知ったこころは、ある提案をします。

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ここのなぜ笑顔になれないのか原因を知り、客が来ないなら呼べばいいと解決法を定めていくプロセスは、ひとりひとり笑顔になる理由があるからひとりひとりについて知る必要がある、という1章で美咲とのやりとりから学んだことなのかなと感じます。2章で今後起こる問題に対してもこころは初め、そういった方法で解決を目指していくことになります。

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どうやってただのバンドに遊園地をいっぱいにできるのか、と問う美咲にこころはそれだと言います。

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社長はどうせ潰れるし何をやってくれてもかまわない、とネガティブながらハロハピの活動を許可します。

こうしてハロハピの作戦会議が始まったわけですが、美咲はライブが成功して1日だけ客を集めても意味はないと言います。

しかしこころは遊園地を楽しむ自分たちを見て楽しそうにしてた社長は、本当は遊園地を続けたがっているはずで、1日だけでも客をいっぱいに出来たらそれは意味のあることだと返します。

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こうしたライブをやる意味だとか、最初の寂れた遊園地を楽しむ姿勢だとか、こころは物の捉え方を楽しく、より良い方向にしていくところがありますね。こうした部分は初期の花音と出会ったときのエピソードからも感じます。逆に美咲は「キグルミの人は心配性(無敵のヒーロー弦巻こころの左エピ)」から物事を悪い方に考えてしまうところがあり、二人に対称性がありますね。美咲もハロハピでの活動を通して少しずつ変わってはいるのですが、まだこうしたネガティブな部分は残っていると、後述する部分にもあるように、美咲自身そう感じています。

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「美咲」と「ミッシェル」

遊園地ライブをやることにしたハロハピは、壁画の復活、ペンキの塗りなおし、パレード、新曲など様々なアイデアが浮かび、それらをまとめるのが自分の仕事だと、美咲はあきれながらも受け入れます。

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ある日、街へ宣伝に出た時のミッシェルの人気を見たこころ達は、当日もミッシェルにパフォーマンス等を色々やってもらおうと提案します。

しかし、遊園地側とのやりとりやパレードライブ、新曲の準備など裏方の仕事で手一杯の美咲は、負担が限界となり、「美咲」と「ミッシェル」は同一人物であることの説明をし、断ります。

こころ、はぐみ、薫の3バカは「美咲」と「ミッシェル」について理解をすることはありませんでしたが、美咲の負担については理解し、それを減らせるようじぶんたちが手伝おうと動くことになりました。

ここの、理解できないながらも自分のできることを精一杯やる、というのは今回のテーマであり、そうした部分を物語の大筋以外にも盛り込んでくるのがガルパの上手いところだなと感じます。

自分の手伝いをすると言い出した3バカに少し心配していた美咲でしたが、意外にも上手くやれていることに驚きます。やることがなくなってしまった美咲は何か胸にもやもやを抱えることに。

宣伝活動で大人気のミッシェル、いるだけで笑顔を振りまく存在だとこころ達はミッシェルを絶賛します。しかし、裏方の仕事が減り負担も減ったはずの美咲はどこか浮かない様子。

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計画をまとめたり曲をつくったり裏方をこなすのが「美咲」の仕事だと思い、その仕事が必要なくなり自身の意義を見失った美咲は、いるだけで笑顔を振りまく「ミッシェル」に、嫉妬のような感情を抱きながらも自分も笑顔にしてくれと呼びかけます。

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 しかし、ミッシェルはキグルミ、そして美咲自身でもあるので答えは返ってきません。

 

ミッシェルになるのが嫌でキグルミを置いてきてしまった美咲、先ほどの対話といい3バカたちと同様、美咲自身も「美咲」と「ミッシェル」を区別して考えてしまっていて、無邪気なはぐみの言葉も、今の美咲にとっては痛いものになっています。

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ライブだけでは遊園地に人は呼べないと感じたハロハピは、足りないものを考えようと話し合いをします。

そこに美咲は自分が必要かと声に出してしまい、

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困惑するメンバーや自分でも言うつもりのなかった言葉に美咲は動揺し、用事があるとごまかして帰ってしまいます。

 

こころは美咲の変化に気付いていない(正しく理解できていない)のですが、他のメンバーは様子のおかしい美咲を心配します。

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「美咲」が今までしていたことをみんなが手伝ってくれることで自分が何をしたらいいかわからなくなっていることが原因かもしれないと花音は推測します。

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ここでのこころの解決法も原因を知り、それをなくす、というシステマチックなものですが、美咲に仕事を与える、ということではこころたちでもできることがわかった以上「美咲」がやる意味という部分は解決しませんし、なにより「ミッシェル」の仕事と重なり美咲の負担の限界がくる、という当初の問題に逆戻りしてしまいます。しかし、この解決法の全てが誤りというわけではなく、薫の言った「美咲はかけがえのない存在」ということをちゃんと美咲に伝える、この方法が解決の糸口になっていきます。

 

翌日美咲は学校でこころとはぐみに今までどおり作曲やライブの準備をやってくれと頼みます。しかし美咲は自分でできるならその方がいいと言います。

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「自分で考えたことを自分で形にする」というのはもっともらしい言い分です。しかし、早口でまくし立てる様子から、これは100%の本心ではないと感じられます。特に、「やりたいからやっていたわけじゃない」というのは以前のイベント「ハロー、マイハッピーワールド」での発言からわかります。

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「別にやりたくて~」と言い訳めいたことを言う部分は「キグルミの人は心配性」でこころが言及していた部分でもありますね。

そうやってまくし立てる美咲に対してこころは返します。

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ここで止まるBGMがこころの言葉の刺すような鋭さをよく表していると思います。

それでも美咲はなんでもないとごまかし、その場を終わらせます。

 

2章の問題は、「美咲」がハロハピにいる意味とは何か?という美咲の悩みを軸に進んでいきます。

 

自分にできること

美咲は自分にできることは何もないのかと悩みます。

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「ミッシェルみたいにはなれないのかな」と「美咲」と「ミッシェル」を分けて考えているようなセリフではありますが、「みんなができるようなことをしたって意味ない」のセリフから「みんな」に「ミッシェル」が含まれておらず矛盾しているように感じます。この矛盾のようなものに美咲の答えはあるのかなと。

 

悩んでいる美咲は薫と遭遇します。

朝のこころやはぐみのように気遣われるのかと身構える美咲でしたが、薫は新曲用のメロディを考えたから聞いてくれと、自然体で接する。

美咲は何も言わない薫に疑問を持つが、薫はそれに答えます。

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美咲のやることを奪ったことではなく美咲を悩ませてしまったことに対して謝罪するところが本質をついています。その後の「温かい言葉をかけてほしいわけじゃない」というセリフも「儚さ薫るホワイトデーミュージカル」のイベストの時のような人の欲しているものをわかってそれを与えられる「王子様」である薫だからこそわかることなのかなと感じます。瀬田薫様……

そんな薫に美咲は望まない役をしなければならない時についての質問をします。

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望まない役での評価、これは「美咲」にとっての「ミッシェル」でしょう。美咲は「ミッシェル」ではない「美咲」を評価してほしいと感じています。

薫は華やかな役を任されることが多いがそれ以外の時も役を演じ切り喝采を浴びたと言います。「役」というのは「役割」ということでもあり、これは2章における「自分にできることを精一杯やる」というテーマにも繋がっているかなと思いますし、二人が会った冒頭の美咲に温かい言葉を投げかけることはしないけれど自分がやれる曲作りという役割をしっかりこなしていたところにも繋がっていると思います。

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そして薫はそれが望む望まないに関係なく「どんな自分も自分。それが誰かを幸せにしているなら胸を張れる自分だ」と美咲の質問に答えます。

ここに美咲の悩みの答えの一部は見えましたが、やはり美咲はまだ「美咲」と「ミッシェル」を切り離している部分があり、「美咲」の存在意義を見つけられていません。

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自分にできることを……本当に瀬田薫先輩がカッコいい。

 

場面は変わり、はぐみと花音。

元気のないはぐみを花音は心配するが、自分が落ち込んだら美咲が気にすると虚勢を張るはぐみ。

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1章で美咲がみんなが落ち込んで変な雰囲気になるのは嫌だと言っていた部分を汲み取ってあげている、本当にいい子だ……

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美咲の悩んでいる答えがわかるわけでもないし美咲が相談してくるわけでもない、それが美咲だから。そんな美咲の力になれることがあればいいと花音は思索します。

そしてはぐみは決心をします。

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ここでも「自分のできることをしっかりやる」という言葉が出ています。

はぐみは美咲の悩みの答えは出せないけれどライブの準備を進めることに力を注いで自分の役割を果たすと決めました。

このはぐみの行動はポピパ2章のおたえの取った動きと似ていますよね。

しかしおたえの根底にあるのは香澄たちがなんとかしてくれるというポピパへの信頼で、はぐみにあるのはハロハピへの献身であり、同じような行動でも違うものとして描くガルパのシナリオは上手いなあと(2回目)。

そしてはぐみの言葉に花音も自分が美咲のためにできることを探します。

 

こころのもやもや

 こころの遊園地に行こうという誘いを美咲は断ります。

しかしこころは美咲をひとりにさせようとしません。

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 一人で考えたいと直接言う美咲にも、こころはみんなで考えようといいます。

しつこく誘うこころに美咲はいい加減にしてと叫んでしまいます。

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美咲の怒声に驚くこころ、美咲は溜まった感情を一気にぶつけます。

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自分と対称的な考えをもつこころには自分の気持ちはわからないと、美咲は教室から逃げ出します。

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美咲を呼び止めようとするこころの声色は今までに聞いたことのない必死さです。話しかけても生徒から避けられていた1章以前のこころは逃げる誰かを止めようとすることはありませんでした。しかし、こうやって必死に美咲を呼び止めようとする姿から、こころの中の美咲の存在の大きさを感じます。

 

浮かない表情で外を出たこころは花音と会います。

こころは美咲の考えていることがわからないと言う。美咲の悩みがハロハピにおける存在意義ということはわかるが、それで悩むこと、悩むということ自体がわからないと。

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花音はこころは美咲の力になれないことに悲しんでいると思います。

こころは悩んだことはない、と自身で言いますが、悩んでいることや負の感情を持つことを忘れていたり、言語化できていないことが今までのエピソードからわかります。「キグルミの人は心配性」ではキグルミの人(美咲)を見ていると胸の奥がもやもやして早く楽しいことをしなくちゃとなり、忘れてしまうのかも、という発言があったり、2章ではおなかが痛そう、具合悪そう、胸がもやもやする、などの実際の体調の悪化として心の問題を言語化していたりします。つまり、そうした悪感情の概念をこころが持っていないだけで抱いたことはあるのかなと。

そして今回こころは、美咲の悩みの力になれないことに悩みます。

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とにかく美咲が笑顔になれていないなら笑顔にしたい、そして笑顔にするには原因をわかる必要がある。1章で美咲に教えてもらった笑顔の仕方にこころは囚われているように思えます。

そこに花音はわかる必要はないと言います。

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わかってあげられるのがいいことなのかもしれない、だけど全部わかり合うことはできない、それでもやってあげられることはある。「自分のできることをしっかりやる」、こころにとってのそれは元気を与えることだと、花音は言います。

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瞳に輝きが宿るところがヒーローの再起って感じがして好き。

それと今回のストーリー薫・花音共に先輩らしく導き手としての役割をしていてすごいいいなと思いました。普段そうでもない感じのキャラが先輩ムーブすると嬉しい、ラ!サ!!2期9話の高海千歌さんとか。

「知る/わかる」ことが笑顔にする方法だと1章で知り、2章ではそれだけでなく「自分にできることをやる」ことでも笑顔を与えられると花音に気付かされたこころは、再び美咲のもとへ向かいます。

 

思い出の波状攻撃

ほっといてという美咲に自分が放っておきたくないというこころ。

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 相手のために自身のエゴで相手にぶつかっていくやつが好きです。

しかし美咲はどうせ自分のことはわからないと拒絶します。

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これも「キグルミの人は心配性」参照ですね。初期のカードとはいえ星3のエピソードめちゃめちゃ使ってくるな……

しかしこころは「そんなこと言ったかしら?」と覚えていない様子。

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これは「美咲」の存在意義について迷っている美咲にとって、「ミッシェル」についてではなく「美咲」のこころの印象を聞いた時のエピソードを覚えていないというのはショックでした。

しかしこころはこう続けます。

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美咲の悩みは「ハロハピにいる意味を見つけたい」ということだから後ろ向きではなく前向きなことだと。こうしたこころの発想の転換は最初の「物事の捉え方」でも書いたことでもありますね。

ですが捉え方を変えても美咲には響きません。一人で考えさせてとこころを突き放します。しかしこころは前向きなことなら楽しく考えた方がいい、一人じゃ楽しくなれないと美咲を一人にさせません。

そしてこころは美咲に語りかけます。

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楽しい気持ちは誰かといると生まれるものだと。

ハロハピで過ごしたことが楽しかったのはみんなと一緒だったから。薫が、はぐみが、花音が、ミッシェルが、美咲がいたから笑顔になれたのだと。

美咲は自分がいなくても勝手に笑顔になっていた、自分は何もしていないと言います。

「そんなことないわ」とこころはそれを否定し、美咲との思い出を語っていきます。

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みんなを笑顔にしてくれるミッシェルを美咲は連れて来てくれると。つまり、笑顔の始まりはいつも美咲が連れてくるということ。これは、2章冒頭で美咲がバンドという言葉を口にしたことから遊園地でライブしようという話に繋がったことや、そのためにどうしようか考えた時まずは宣伝と提示したこと、1章ではバンドらしい活動をするとき度々美咲の一言から始まっていたこともあるのかなと思います。

こころの「……言われてみれば」というのは無意識下で美咲とミッシェルが同一だと感じているけれど理解では美咲とミッシェルは別人だと思っているから生じる間なのかなと。こころの美咲/ミッシェルの認識については「船上の名探偵 弦巻こころ」の右エピでも言及されています。

会話の方に戻りますがこれはそもそも「ミッシェル」が笑顔にしていると否定します。

 

「でも」とこころは水族館での思い出を語ります。

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イベント「リトルスマイルステップ!」での話。

花音を助けて笑顔にしたのは美咲だと。

美咲は自分だけでなくこころ達もいたと否定します。

 

「それなら」とこころはホワイトデーでの思い出を語ります。

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イベント「儚さ薫るホワイトデーミュージカル」での話。

薫を手伝って笑顔にしたのは美咲だと。

メタ的に言うとこころはこのイベントには参加しておらずミュージカルも観客としていただけ、それでも美咲が薫の手伝いをしていたことを覚えています。

美咲は他にも手伝った子はいると否定します。

 

「じゃあ」とこころはふわキャラ選手権での思い出を語ります。

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イベント「正々堂々!ふわキャラ選手権」での話。

ここで美咲がはぐみに伝えた言葉はイベント「涙のスマイルアンカー」の時に伝えたものです。こちらのイベントにはこころはいません。それでも、はぐみ伝いでの言葉でもこころは美咲の言った言葉を覚えています。

はぐみを笑顔にしたのは美咲だと。

美咲は「細かいことよく覚えてるな」とぶっきらぼうに答えますが、「なんか覚えてたあたしが嫌になる」という教室でのはじめのセリフを考えると、相当の動揺があると思います。

 

「他にもあるわよ!」とこころはたたみかけます。

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イベント「ハロー、マイハッピーワールド」での話。

美咲がハロハピを前より大切になったとミッシェル越しに伝えた時のエピソード。

こころは美咲の言葉で笑顔になったと。

笑顔にした主体は「ミッシェル」→「こころ達」→「他の子」と否定した先にたどり着く「あなた(美咲)」

笑顔にした対象が「みんな」→「花音、薫、はぐみ(ハロハピ)」からの「あたし(こころ)」

この流れが合わさって他でもない「あなた」が「あたし」を笑顔にしたという話に収束するのが綺麗すぎて……

しかもこの思い出の波状攻撃とも呼べる連続した語りは以前こころの誕生日にガルパラで明かされたこころが思い出の品(特にミッシェルグッズ)に囲まれて寝ていること(https://bang-dream.bushimo.jp/special/manga/3459/)を踏まえると、こころの中で美咲やミッシェルとの思い出がどれだけ大切なものかを強く感じさせられてボロボロに泣きました。

美咲はどれも大したことをしてないと言います。

しかしこころは、

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決めつけを打ち破るいつものフレーズ。この自己評価の低い相手に対して自分の相手への気持ちを決めつけないでという百合が本当に好きです。ラ!サ!!11話のようちかやデレアニ19話のみくりーなとか、アニメバンドリのさーかすとかもそうですね。

美咲から貰った笑顔の大きさを表現するために校庭まで出ていこうとするこころのしまらないところに美咲は吹き出します。

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美咲が笑ったことにこころも嬉しくなって叫びます。このセリフをいう直前のしゃくりのようなテキストにない叫びにこころの嬉しさの大きさが表れています。

それにしても美咲を笑顔にできなくてもやもやしたり、美咲が笑顔になって嬉しくなったりするの、もう恋じゃん。

こころに呆れ笑いしながらも、美咲は「美咲」もみんなを笑顔にできていたことに、こころの語りによって気付きます。

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自分の存在意義は裏方の仕事に本質があるわけではない、そのことにも美咲は気付きます。

そして美咲はこころに感謝を伝えます。

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「その」と「ありがと」の間に挟まるこの俯いた表情が完全に恋じゃん。

 

キミがいなくちゃっ!

悩みを吹っ切れた美咲はライブの準備に復帰します。

完成したかにみえた壁画ですが、何かが足りないとこころは言う。

同様に感じていたハロハピメンバー、みんなで描いたかんじがしないと。

そしてこころは美咲が何も描いてないことに気付く。

「ミッシェル」が描いても「美咲」が描いたことにならないとはぐみと薫は言う。

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「どんな自分も自分」と言ってた薫さんが「ミッシェルはミッシェル。美咲は美咲」と言うのなんだか面白いけれど美咲にとってどっちの言葉も救いになっているのがすごい……

 壁画を描くことになった美咲だが、何を描けばいいか迷う。笑顔になれるものならなんでもいいというこころの言葉に美咲はミッシェルを壁に描く。

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「ミッシェルはハロハピの守護神」というセリフは「キグルミの人は心配性」でこころの言ったセリフ(他にもこのワードが出てたかは覚えてませんが)、奥沢さんも結構細かいことよく覚えてますね。

ミッシェルがいるならと、こころは隣に美咲を描きます(!)、美咲とミッシェルがいるならこころもいなくっちゃと、はぐみもこころを描き足します(!!)

そうして最終的にハロハピ6人全員が描かれた壁画が完成しました。

そしてこの絵を元にして新曲を作るとこころは決めました。

「ミッシェルがいなくちゃ」から始まり、「ミッシェルがいるなら美咲がいなくちゃ」、「ミッシェルと美咲がいるならこころがいなくちゃ」……と続いて「ハロハピは6人いなくちゃ」と完成した壁画から生まれた曲の名が「キミがいなくちゃっ!」

美咲がいなくちゃみんなを笑顔にするミッシェルは連れてこれない、美咲がいなくちゃ花音を、薫を、はぐみを、こころを笑顔にできなかった。教室でのこころと美咲のやりとりを思い出させます。2章の中での話だけでも「美咲」がいなくちゃという場面は多々ありました。美咲の一言がなければ遊園地ライブの発想はなかった、美咲が宣伝について言及しなくてはそもそも人も呼べなかった、薫の新曲のメロディに楽しさのアイデアを上げたのは美咲だった。全て美咲がいなくちゃ始まらなかったことです。

そうした出来事全部がつまった曲名が「キミがいなくちゃっ!」と思うとめちゃくちゃ良い曲だなと。

 

広がる世界

曲も完成し、順調に準備を進めるハロハピ。そんなハロハピの姿に心打たれたのか、遊園地の社長や職員も協力したいと申し出がくる。

しかし、宣伝はまだ上手くいかず人は呼びこめそうもない。

そこで美咲は教室でのこころとのやりとりを思い出し、提案する。

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そして力を貸してくれる人たちを考えます。

はぐみは「正々堂々!ふわキャラ選手権」で知り合ったふわキャラに、花音は「リトルスマイルステップ!」で関わった水族館に協力を頼みます。薫は「怪盗ハロハッピーと豪華客船」の時の怪盗に扮して謎解きイベント、こころは「ハロハピ大冒険!~笑顔の眠る宝島~」での経験をもとに宝探しイベントを企画する。

美咲は事が大きく広がりすぎて収集がつくか不安になるも、そこは黒服の協力により問題なくすすむとのこと。

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黒服(弦巻家)の力のことをさしたセリフではあるのですが、美咲の世界、ハロハピの力が大きくなっていってることも示しているようで好きなセリフです。

「あたしの大事なもの 奥沢美咲」の右エピで美咲は「世界」についてこう語っています。

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この地球上すべての世界を笑顔にすることなんてできないと思っていたけど、「世界」とは自分のいる場所とその周りで、それなら世界を笑顔にできるかもしれない。そう語っていました。

そのちっぽけなはずの美咲の「世界」は、今までのイベントストーリーのふわキャラや水族館、遊園地の人たちなどと関わっていくことでどんどん広がっていっています。そうして広がる美咲の「世界」が最初に言っていた地球上すべてを意味する世界に近づいていって、笑顔を振りまいていく、そんな予感を、この遊園地ライブでの動きで感じているのがこの「なんかものすごい力」に表れているのかなと思います。

 

世界を笑顔に

色んな人たちの協力を得て、遊園地ライブ当日はたくさんの客で賑わいました。

遊園地の社長は情熱を取り戻し、ハロハピは目標を達成することができました。

そして最後の一大イベント、パレードライブに移ります。

その準備で新曲に合わせた新衣装が作られます。そこには「ミッシェル」ではない「美咲」として衣装をまとった美咲が。

花音が「私たちが美咲ちゃんの分の衣装もお願いしたんだ」と言っていたり、このあとの美咲の「背中を押してくれたのに」という発言から花音の探していた「美咲のためにできること」というのはこのことなのかなと感じました。

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パレードライブに出ようと美咲はハロハピみんなから誘われました。ここでも大きく「美咲」は救われ、だからこそ美咲はある覚悟を決めます。

「ミッシェル」と「美咲」は同じだと3バカはわかってくれないけれど「ミッシェル」と「美咲」それぞれ大事に思ってくれていることを確信した美咲は、自分にできることを精一杯やると決意し、「ミッシェル」としてパレードライブに参加します。

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美咲は誘いを断ります。それに対し花音は「美咲ちゃんの決めたことなら」と、こころは待っている。と返します。

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美咲は「ミッシェル」をやることにもうためらいません。美咲のハロハピでの意味は「みんなを笑顔にすること」そのためなら「ミッシェル」だってなんだってやりきってみせると。なぜなら「どんな自分も自分。誰かを幸せにしているならそれは愛すべき自分であり、胸を張れる自分」だから。

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ここでのセリフはとても決意に溢れた力強い声でした。

 

そして始まるパレードライブ、2章恒例の激エモモノローグタイムです。

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はぐみは幼い頃の遊園地への感謝、そしてそのお返しを宣言、ハロハピと一緒ならどんな場所でも笑顔にできると頼もしい言葉。

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薫は世界への歓喜と美咲との共鳴。美咲が会議から抜けた時の「かけがえのない存在」とい言葉やパレード前の「素敵な6人目がいるとみんなに教えたい」など美咲を大切に思う言葉が多くてやっぱりこの人優しくてカッコいい王子様だなと。

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こころに勇気をもらい始まった花音のハロハピ、少しだけど前に進んで、もらった勇気を自分にできるやり方で渡していくという決意。

「こころちゃんみたいにはできないけど、私は私にできるやり方」というのは「自分にできることをやる」今回のテーマですね。

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「そっち側の住人」という言葉は「Beatin' in the Rain」などで使われた言葉ですね。「ハロー、マイハッピーワールド」でハロハピの一員であることを自覚した美咲ですがそれでもやはり自分をこころ達から一線引いて捉えていました。しかし美咲はもう世界を笑顔にすることにもうためらいません。こころから、みんなから勇気をもらったから。ここのセリフ、「誰かを笑顔にできるなら」ではなく「誰かを笑顔にできるって”言ってくれるなら”」となっているのがすごくいいです。こころからの言葉が美咲にとってすごく大きくて、救われた言葉なんだなあと。しかもこれをモノローグで言っていて、花音との会話では「誰かを笑顔にすることができるなら」と「言ってくれるなら」が抜いているのも良くて、言葉にするのは恥ずかしいけど強く思っている部分なのかなと感じるとやっぱ恋じゃん(3回目)。

 

そしてラストのこころのモノローグ。

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ノローグじゃない!?完全にバンド順の中でもメンバー順でもないからできる全員モノローグというテンプレを打ち破る呼びかけ。この語りの感じ、プリパラ2期のドリームパレードでも見た。ヒーローの言葉だ。

あとこころのモノローグってガルパだと一切ないし今後くるとしたらどんなヤバいモノローグがくるんだ……という畏れがありますし、唯一こころのモノローグが書かれたガルパラ105話(「思い出の波状攻撃」の項にリンクあります)の破壊力も考えるとなおさら。

内容は誰かに楽しいをあげれば自分の中にも楽しいは生まれる、というもの。はぐみの笑顔にしてくれたお礼や花音の貰った勇気を自分のやり方でみんなに渡していく、という二人のモノローグにも通じるものですね。貰った愛を誰かに渡してそれが広がっていく、鋼の錬金術師輪るピングドラム……

それでも笑顔になれないときはハロハピに任せろと、集合絵で続けます。

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この一連の最強のヒーロー達の言葉を聞いていると、ハロハピなら本当に世界を笑顔なんじゃないかと感じさせてくれます。

 

 

繋いだ手を繋いで、大きな輪になって、世界は一つになる。

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